クランクケース内圧コントロールを行った場合に、「油圧低下が起きる 」と言う、心配する声が届いていますので、検証を行いました。
結果は・・およそ(0.02kg/cm2)ほど下がります。
これは、ケース内圧が、プラスからマイナス側に移行した圧力差の大きさに比しても、微少の変化なんですが・・。
詳細は、以下の検証結果のレポートを。
※大事なのは、マニュアル通りの測定位置、条件を満たしているのか。
これが守られない場合の測定値は、限りなく説得力に欠けます。
このように、指定した場所がありますので、其処にメーターを取り付けます。
オイル温度によっても、抵抗値すなわち表示圧力も変わりますので、これも確認。
※回転数が、規定値より少しでも上がれば、油圧も比例して上がります。
今回の測定位置は、ポンプとリリーフバルブ手前(圧が軸受けメタルに行き渡る前)ですが、今回懸念された事例のように、※ヘッドリターン側圧を測定する場合も有るようで、リターン側は圧力が掛かりメタルを潤滑した後の圧力となりますので、値は正確さに欠けケース内圧の影響も受けやすくなります。
なぜ、ケース内圧に左右されるかというと、たとえば・・
○通常は圧力が高いので、軸受けから出る時には、傷口を押さえるような作用が働きます。
○一方、内圧が下がると、逆に吸い出す作用が働きますので、ポンプ抵抗も減ります。(表示圧力が下がる)
測定方法/測定場所はマニュアル指定位置。
測定基準
油温60° /エンジン回転数1.200RPM
この時の標準圧力 0.6kg/cm2以上
測定器具
ちなみに、セーフティバルブ(チェックバルブは、1.2kg/cm2前後で開き、過剰圧を捨てています)
※:測定した固体は、標準圧よりも低くなっていますが、回転数を上げ他場合は、バルブ作動ポイントまで上がっていますので、次のOH時に要チェックor交換でしょうね。
バルブ無しの場合。
バルブ有りの場合。
◎およそ、0.02kg/cm2程の低下が確認出来ます。
この状態からしても、ケース内圧を下げすぎるのは有害なことが判ります。
通常、レース用(スカベンジングポンプ使用)は油量を稼ぐために、ポンプのW化を計ったり、チェックバルブの強化をしたりしますので、こういう意味なのですね。
※:
大勢の方が見ていますので、情報公開する時には、正確を期したい物です。
測定値は、SRX整備マニュアルと比較しやすいように、敢えて旧表示としました。
油圧測定方法について。
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